タイトル:ドラキュラ(完訳詳注版)
    ISBN4-89176-420-1
    著者:ブラム・ストーカー
    訳・注釈:新妻照彦+丹治愛
     
    内容(目次より抜粋)
     
    目次
    ドラキュラ
    注釈
    ドラキュラの客
    『ドラキュラ』の起源
    ブラム・ストーカーによる『ドラキュラ』創作ノート
    ブラム・ストーカーによる『ドラキュラ』関連調査資料
    ブラム・ストーカー『ドラキュラ』と文化研究
    
    感想
     
    映画もいいですが、小説もなかなかのものですね、
    とても115年も前に出版されたとは思えない様な新鮮な印象を受けました。
    今もなお絶大な人気が有るのもうなづけます。
    (オリジナルの初版は、1897年6月に出版)
     
    登場人物達の日記(ドラキュラ視点の日記は無い)、という形で物語が進行して行くのですが、ちゃんとした小説風に成っており、他の小説の様に、第三者や解説者視点では無く、登場人物視点で書かれているので、より物語の世界に入り込めた気がしました。
     
    また、日記という事もあり、細々と出来事の日時が記されており、
    時間の流れも正確に知る事が出来るのも大きな特徴でした。
    簡単な地図も付属しているので、物語がどの辺りで展開されているのかも分かります。
     
    吸血鬼ファン必読の書です。
     
    また、ただ単に小説を読むだけでなく、物語の時代背景、裏に隠された著者の深層心理を読み解けば、更に楽しめると思いますので、 そういった付録文書がある完訳詳注版がお勧めです。
     
    更に突き詰めれば、ドラキュラ伯爵のモデルの一人(他にもモデルに成った人は居る)である、ヴラド3世や、ルーマニアの歴史を調べると、もっと更に、
    ドラキュラを楽しめるかも知れません。
    
    簡単なストーリー説明
     
    ルーマニアのトランシルヴァニアに住む『ドラキュラ伯爵』が、
    イギリスにも活動拠点を作ろうと、イギリス人の『ジョナサン・ハーカー』を
    仲買人として、ロンドンに土地と屋敷を購入する。
     
    ジョナサンは土地と屋敷の説明をしに、トランシルヴァニアのドラキュラ城を訪れるのだが、そこで見たものは、恐るべきドラキュラ伯爵の正体と、
    3人の女吸血鬼達。
     
    ジョナサンは、ドラキュラがロンドンに発った後、命かながら城を脱出する。
     
    ドラキュラは、ロンドンでミーナの友人『ルーシー』や 、
    ジョナサンの妻『ミーナ』を毒牙にかけるが、ジョナサン、ミーナ、
    アーサー(ルーシーの婚約者)、シュワード、クインシー、
    『ヴァン・ヘルシング教授』達の反撃により、
    トランシルヴァニアへと逃げ帰る。
     
    ヴァン・ヘルシング教授は、ドラキュラ城に住む3人の女吸血鬼達を退治し。
    ジョナサン達はドラキュラを退治するのだった。
     
    他には、ドラキュラ崇拝者の『レンフィールド』が登場します。
     
     
    (2012年7月5日、木曜日編集)